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頭のいい子に育てるために・6 スピードと丁寧
数学好きは字が汚い?
私が知る限り、数学がとても好きでとてもできる人たちで、字が丁寧な人を、ほとんど見たことがありません。もちろん、いざ履歴書だ世話になった方への手紙だという場合には、書こうと思えばそれなりのレベルでは書けるのでしょうが、普段の字はきれいではない。というよりむしろ汚いの部類に入るでしょう。 
スピーディーに書くことの大切さ
お前は「字は汚いほうがいい」とでも言うのかという声がきこえてきそうですが、もちろんそういう意味ではありません。ただ、「きちんと書くべきときにはきちんと書くことができる一方で、スピーディに書きなぐることも同時にマスターさせておかねばなりませんよ」とは言えます。それは、言いかえれば、特に長男・長女で顕著なのですが、第一子ゆえに親も親として干渉しすぎてしまったりして、「きちんと書きなさい」「きれいに書きなさい」ばかり強調しすぎて伸びそこなった子が、たくさんいるんですよということです。
「きちんと書く」が足かせに
小学校低学年時代というのは、親は内容も理解できる範囲だし、非常に口出ししやすい。学校でどんなに溌剌と手を上げていたり考えていたりしても、見えない。目に入るのはノートだけである。勢い、そのノートを開いては、「あなた、もうちょっと字は丁寧に書きなさい」という方向性でばかり注意しがちなのです。
すると、子どもは世界一大事な母親に認められようとして、あるいは叱られまいとして、一字一字きちんと、どんなノートでも書く癖ができてしまいます。これが落とし穴で、低学年時代はそれでも間に合っても、高学年以降のトップの中学入試や高校・大学入試では、「時間が足りない」という欠点となって、合格点に足りないという結果になってしまいます。
トップの問題群は運筆の速さが鍵
私が推測するに、仮に小さい頃、きちんとの拘束にかかっている子でも、本物の算数・数学の思考力問題の面白さに魅入られた子は、徐々にスピードアップして「汚い字でも書ける」ようになるのではないかと思いますが、いずれにしろ、思考力を試すトップの問題群は、かなりの運筆の速さを能力として持っていないと、太刀打ちできないことは確かです。
早く書く能力を育てるには?
それではそのような能力を育てるのには、何ができるでしょうか。一つは、「百マス計算」などは有効です。私は「アンチ百マス」と思われているようですが、そうではありません。
「百マスさえやれば、頭が良くなる、思考力も育つ」というような嘘に異議申し立てしただけで、基礎の計算力をつけたり、ある種の集中の体験をさせるのに、非常に効果的です。そして大事なことは、百マスの解答などは、汚くっても大丈夫で、そこでこそスピード勝負の運筆を覚えなければならないのです。また、文章題でも間違った問題の「反復練習」のようなときは、「汚くてもよいから速く書かせる」訓練に最適です。
女性である、しかも真面目なタイプのお母さんには、受け入れがたいこともあるようですが、理系で頭の良い職業の代表であるはずのお医者さんって、案外字が汚い人が多いなと感じられることもあるはずです。スピードの重要性も、ぜひ認識してください。
「頭のいい子に育てるために」のシリーズは今回で終了です。
現在、新連載を鋭意企画中。ぜひご期待ください!
出典)「アルゴクラブ」連載より転載 (一部加筆)
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たかはま先生のプロフィール    
   
高濱正伸(たかはままさのぶ)
花まる学習会代表
算数オリンピック問題作成委員
著書:「考える力がつく算数脳パズル なぞぺー」草思社、「小3までに育てたい算数脳」健康ジャーナル社 他
PCソフト監修:「デジなぞ」レデックス株式会社